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ゆーぽっぽ・どっと・こむ

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タクシー事情(Teksi)


タクシー事情(2004年6月27日の日記から)



先日、帰宅が遅くなりタクシーに乗る機会があった。
いつも思うのだけど、日本のタクシーは高い!

マレーシアのタクシーの初乗りはRM2(リンギット(ドルとも言う))。1リンギはだいたい30円くらいなので、初乗りはおおよそ60円という安さなのである。
これでも、私が住んでいた十数年前よりはかなり値上げした方だ。その頃は初乗りは0.6リンギくらいで、クーラーをつけてもらってやっと1リンギという安さだった。まぁその頃はレートが今と違って50円くらいだったので、換算すると今と同じくらいになるのかもしれないけれど。もっとも、その頃使われていた車種は、今のような国産のプロトン車のような小奇麗なものではなく、SuzukiのGeminiと言ったような、日本ならとっくに廃車になっていそうな勢いの小汚いものばかりだったので、あまり高い金額を取られても悔しかったのかもしれない。(笑)
とにかくそんな安い運賃でやっていけるのだろうか、と余計な心配をしたくなるくらい安いので、モノレールや電車が市内のほぼ全主要目的地を網羅している今でも、タクシーは変わらぬ勢いで人々の重要な足となっている。

そんな安いタクシーだが、運ちゃんは運ちゃんなりにいろいろと思惑はあるらしく、あの手この手で儲けようとしてくる。例えば、スコールが降って来たり、ラッシュアワーでタクシーが足りない時間帯になると、とたんに人の足下を見て値段をふっかけてくる。ほんの5リンギの距離なのに“10リンギくれ!”と言ってきたりするのだ。私はよほど緊急事態でない限り、根気強く値段交渉をするか、他のタクシーを探すことにしている。だって、そこで彼らの言い値を払ってしまうと、きっと味をしめてまた同じことをするだろうから(もう遅いと思うけど)。日本人にはこの輩が多く、すぐに日本円に換算して“これなら十分安いからいいだろう”と彼らの言い値を払ってしまうことが多いので、日本人と見るととたんにふっかけて来るのだ。でも私は悔しいから絶対に払わない。

きちんと値段の交渉をして乗ったハズなのに、諦めきれず降りる間際にもう一度ふっかけて来る運ちゃんもいる。そんな時私は呆れ半分で「しつこいなー!5リンギったら5リンギだってば!」と言うと、彼らは半ベソをかきながら「お前日本人だろ?お金たくさん持ってるのに何でケチなんだ。」なんて言われることもある。そうすると、「それとこれとは別だよ、私はそういうのは嫌いなの!」といってタクシーを降りる。彼らは「やれやれ」といった顔で私を見送る。(一度だけ、この類のタクシーの運ちゃんが「こないだ5人目の子供が生まれたんだ~!」と嬉しそうに話してくれたので、降りる間際に倍の金額を払ってしまったことがあったけど)

タクシーの運ちゃんに悪い人はほとんどいない。彼らは生きるのに必死なだけで、どんなに無愛想なインド人の運ちゃんとかでも、こちらから英語や片言のマレー語で話し掛けると、とたんに形相を崩して嬉しそうにいろいろと質問をしてくる。「ユー・ジャパニーズ?(日本人?)」「ウェア・ユー・カム・フロム?(どこから来たの?)」などといった、知っている限りのブロークンイングリッシュで一生懸命話し掛けて来る。マレー人には基本的におせっかい好きの人が多いので、帰りのタクシーは俺が迎えに来てやろうか、何時にどこで待っててやろうか、などといろいろと世話を焼いてくる人もめずらしくはない。こういった、マレー人のよさや、現地の情報をいろいろと知ることも出来るというのも、タクシーに乗る楽しさの1つだ。

マレーシアに行ったら、ぜひモノレールや電車などは使わず、タクシーを試してみて戴きたい。そこはモノレールなどでは決して体験できない、活きたマレーシア事情やコミュニケーションの宝庫なのである。


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